中間点呼はいつ要るか|泊まりの運行で1回、確認は2つ
中間点呼は、泊まりの運行だから要る、ではありません。条件は条文に書かれています。
業務前と業務終了時のどちらも対面等でできない業務。ここが分かれ目です。
この記事では、要る条件と、確認する中身を整理します。
中間点呼が要る
- 業務前が対面等でできない
- かつ業務終了時も対面等でできない
- 例:出先で乗り始め、出先で終わる
中間点呼は要らない
- 業務前は営業所で対面
- 片方でもできていれば要らない
- 例:朝に対面、夜に帰庫して対面
この記事の内容(7項目)
- 中間点呼が要るのはどういう業務か
- 2泊以上の運行でよく出てくる
- 2泊3日を日ごとに見る
- 運行が長いかどうかではない
- 他社の営業所を使う場合
- 判定は運行ごとに行う
- 中間点呼で確認するのは2つだけ
- 指示は要る
- 酒気帯びは検知器を使う
- 検知器は運転者に持たせる
- 2号の聞き方
- 中間点呼はいつ行うか
- 決める時刻の考え方
- 方法は告示の方法が原則
- 誰が行うか
- 抜けないようにする段取り
- 抜けたときにどうするか
- 中間点呼の記録に書くこと
- 業務前・中間・終了の区別を書く
- 1行にまとめない
- 記録簿の作りは先に決める
- 出先で書いたものをどう回収するか
- 中間点呼が要らなくなる場面
- 運行の組み方で外れることもある
- 外れたかどうかは記録で確かめる
- 要らない運行に中間点呼をしても問題はない
- 運行指示書とセットで見る
- 中間点呼の記録を何年残すか
- 起算日は点呼の日
- 月ごとに綴じる
- 電子で残すとき
- 一覧に載せる
- よくある質問
中間点呼が要るのはどういう業務か
貨物自動車運送事業輸送安全規則7条3項は、対象をこう書いています。
「前二項に規定する点呼のいずれも対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法で行うことができない業務を行う運転者等」
「いずれも」です。片方でもできていれば、3項の対象になりません。
2泊以上の運行でよく出てくる
1泊2日なら、出発の日に営業所で対面、帰った日に営業所で対面ができます。この形なら中間点呼は要りません。
2泊3日になると、真ん中の日は業務前も業務終了時も出先です。この真ん中の日の業務が、3項の対象になります。
2泊3日を日ごとに見る
日ごとに業務を切って、前後で点呼ができるかを見ます。
| 日 | 業務前 | 業務終了時 | <b>中間点呼</b> |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 営業所で対面 | 出先 | 要らない |
| 2日目 | 出先 | 出先 | 要る |
| 3日目 | 出先 | 営業所で対面 | 要らない |
対象になるのは真ん中の日だけです。3日ぶん全部に行う必要はありません。
3泊4日なら、真ん中の2日が対象になります。日数が増えたぶんだけ、対象の日も増える形です。
運行が長いかどうかではない
日数で決まるわけではありません。「泊まりだから要る」と覚えていると、必要のないところで手間が増えます。
見るのは、その業務の前後で営業所の点呼ができるかどうかです。
他社の営業所を使う場合
出先で他社の施設を借りていても、自社の営業所の点呼にはなりません。検知器も「当該運転者の属する営業所に備えられたもの」と4項に書かれています。
他社との間で点呼を行うには、別の手続きが要ります。告示で定める点呼の方法で整理しています。
判定は運行ごとに行う
同じ運転者でも、運行によって変わります。運行指示書を作る段階で、中間点呼が要る運行かどうかを決めておきます。
出発してから考えると、間に合いません。
中間点呼で確認するのは2つだけ
3項は、確認する中身を「第一項第一号及び第二号に掲げる事項」と限定しています。
| 項目 | 業務前 | <b>中間</b> | 業務終了時 |
|---|---|---|---|
| 酒気帯びの有無(1号) | 要る | 要る | 要る |
| 疾病・疲労・睡眠不足など(2号) | 要る | 要る | — |
| 日常点検の実施又はその確認(3号) | 要る | 要らない | — |
| 自動車・道路・運行の状況 | — | 要らない | 要る |
| 必要な指示 | 要る | 要る | — |
日常点検の確認は入りません。途中の点呼で車の状態を聞いても、それは3項が求めているものではありません。
車の点検は、毎日の日常点検とは別に三月ごとの定期点検があります。対象と周期は3ヶ月点検の対象になる車にまとめています。
指示は要る
確認は2つですが、「運行の安全を確保するために必要な指示」は3項にも書かれています。
聞いて終わりではありません。聞いた内容に応じて、何かを伝えるところまでが点呼です。
酒気帯びは検知器を使う
4項は「前三項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には」と書いています。中間点呼も含まれます。
目視等での確認と、検知器を用いた確認の両方です。出先でも検知器が要ります。
検知器は運転者に持たせる
条文は「当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて」と書いています。携帯型のものを、営業所の備品として持たせる形が実務でよく使われています。
常時有効に保持することも4項にあります。持ち出したままにせず、点検と校正の周期を決めておきます。
2号の聞き方
「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」です。体調を聞くというより、運転できるかどうかを聞いています。
「大丈夫です」で終わらせず、何時間寝たかまで聞くと、記録にも書けます。
中間点呼はいつ行うか
3項は「当該業務の途中において少なくとも一回」としか書いていません。時刻は決まっていません。
会社のほうで時刻を決めておくのが実務です。「毎日◯時」と決めれば、忘れませんし、記録も整います。
決める時刻の考え方
運転者が止まっている時間帯に合わせます。走行中に電話をかけると、それ自体が危険です。
休憩の時刻が運行指示書で決まっているなら、そこに合わせるのが自然です。
方法は告示の方法が原則
3項は「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(当該方法により点呼を行うことが困難である場合にあっては、電話その他の方法)」と書いています。
条文の順番は、告示の方法が先で、電話があとです。業務前と業務終了時の1項2項が「運行上やむを得ない場合は電話その他の方法」となっているのと、書きぶりが似ています。
誰が行うか
運行管理者、または補助者です。夜間や早朝にかかるなら、誰が担当するかを先に決めておきます。
その場の思いつきで回すと、抜ける日が出ます。
抜けないようにする段取り
中間点呼は、営業所の側から掛けにいくものです。忘れても、運転者からは催促されません。
当日の朝に「今日は要ったかな」と考える形だと、忙しい日に抜けます。前の日までに決めておきます。
抜けたときにどうするか
やり忘れたことに気づいたら、気づいた時点で行います。やらずに済ませるより、遅れてでも行って記録に残すほうがよい形です。
遅れた理由も書いておけば、次に同じことが起きにくくなります。
中間点呼の記録に書くこと
5項は、1項から3項までの点呼をまとめて記録の対象にしています。中間点呼も同じ記録簿に残します。
| 5項の号 | 書くこと |
|---|---|
| 1号 | 点呼を行った者及び受けた運転者等の氏名 |
| 2号 | 自動車登録番号又は車両番号その他識別できる表示 |
| 3号 | 点呼の日時 |
| 4号 | 点呼の方法 |
| 5号 | その他必要な事項 |
| 本文 | 報告・確認・指示の内容 |
「点呼の方法」は4号として条文に書かれています。方法が1つしかない会社は書いていないことがありますが、中間点呼を始めるなら必ず要ります。
業務前・中間・終了の区別を書く
条文には「どの点呼か」という号はありません。とはいえ、区別が無いと、中間点呼を行ったことが記録から読み取れません。
5号の「その他必要な事項」として、区分の欄を作っておきます。
1行にまとめない
1つの運行で3回行うなら、記録も3行になります。1行にまとめると、日時が1つしか書けません。
3号が「点呼の日時」を求めているので、回ごとに行を分けます。
記録簿の作りは先に決める
中間点呼を始めてから様式を直すと、始めた日から数日ぶんの記録が違う形になります。始める前に欄を足しておきます。
書き方は点呼記録簿の書き方で整理しています。
出先で書いたものをどう回収するか
行うのは運行管理者側なので、記録は営業所で書けます。運転者が書くのではありません。
電話で聞いた内容を、その場で記録簿に書きます。あとでまとめて書くと、聞いた中身が落ちます。
中間点呼が要らなくなる場面
3項の対象は「いずれもできない業務」です。どちらか片方でもできるようになれば、対象から外れます。
いまの形
- 出先で乗り始め、出先で終わる
- 前後とも電話
- 中間点呼が要る
告示の方法を入れた形
- 業務前を遠隔点呼にする
- 前が対面等になる
- 中間点呼は要らない
遠隔点呼を入れるには届出が要ります。実施予定日の原則10日前です。手続きは告示で定める点呼の方法にまとめています。
運行の組み方で外れることもある
帰庫の時刻を少し早めれば、営業所で対面できる運行があります。中間点呼を増やすより、運行の組み方を見直すほうが早いことがあります。
どちらがよいかは、運行の本数と人の配置で変わります。
外れたかどうかは記録で確かめる
やり方を変えたら、方法の列を月末に数えます。電話の件数が減っていれば、狙いどおりに動いています。
減っていないなら、置き換える範囲が合っていません。
要らない運行に中間点呼をしても問題はない
多めに行うこと自体は差し支えありません。ただし、要る運行で抜けるほうが重い問題です。
まず、要る運行を取りこぼさない形を作ります。
運行指示書とセットで見る
中間点呼が要る運行は、運行指示書を作る運行と重なることが多くあります。指示書を作るときに、中間点呼の欄も同時に埋める形にすると抜けません。
指示書の書き方は運行指示書の書き方で整理しています。
中間点呼の記録を何年残すか
5項は「その記録を一年間保存しなければならない」と書いています。中間点呼も同じです。
| 書類 | 年数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 点呼記録簿(中間を含む) | 1年 | 規則7条5項 |
| 運行指示書 | 1年 | 規則9条の3 |
| 運転者等台帳 | 3年(運転者でなくなった日から) | 規則9条の5第2項 |
| 指導監督の記録 | 3年 | 規則10条1項 |
「運行に関する書類は3年」とまとめて覚えていると、点呼の1年を過ぎたものまで残り続けます。逆に、教育の記録を1年で捨てると足りません。
起算日は点呼の日
1年は、その点呼を行った日から数えます。運行が終わった日ではありません。
同じ1年でも、運行指示書は「運行の終了の日から一年間」(規則9条の3)と書き方が違います。並べて置くと、起算日がずれます。
起算日の考え方は保存年数より間違えやすいのは起算日にまとめています。
月ごとに綴じる
1年で捨てるなら、月ごとに綴じておくと作業が楽になります。ばらばらに綴じると、捨てるときに1枚ずつ日付を見ることになります。
置き場所の考え方は書類をどこに置くかにあります。
電子で残すとき
紙でなくてもかまいません。1年経ったら消す仕組みまで作っておくと、増え続けません。
電子で残すときの考え方は帳簿を電子で残すときで整理しています。
一覧に載せる
他の書類とまとめて、年数の一覧に載せます。
一覧は会社に必要な書類の保存年数を業種横断で並べるにあります。
よくある質問
- Q. 中間点呼はどういうときに要りますか。
- 業務前の点呼と業務終了時の点呼の、どちらも対面または告示の方法で行うことができない業務のときです。規則7条3項が「いずれも…行うことができない業務」と書いています。片方でもできていれば要りません。
- Q. 泊まりの運行なら必ず要りますか。
- 必ずではありません。1泊2日で、出発の日に営業所で対面、帰った日にも営業所で対面ができるなら、前後とも対面なので対象外です。日数ではなく、その業務の前後で点呼ができるかどうかで決まります。
- Q. 中間点呼では何を確認しますか。
- 2つです。酒気帯びの有無(1項1号)と、疾病・疲労・睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無(1項2号)です。あわせて、運行の安全を確保するために必要な指示を与えます。
- Q. 日常点検の確認も要りますか。
- 要りません。3項が挙げているのは1項1号と2号だけで、3号(道路運送車両法47条の2による点検の実施又はその確認)は入っていません。
- Q. 電話で行ってよいですか。
- 条文は、告示で定める方法を原則とし、それが困難である場合に電話その他の方法としています。電話が最初の選択肢という書き方ではありません。
- Q. アルコール検知器は出先でも要りますか。
- 要ります。4項は「前三項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には」としていて、中間点呼も含まれます。目視等での確認に加え、当該運転者の属する営業所に備えられた検知器を用います。携帯型のものを営業所の備品として持たせる形が実務で使われています。
- Q. 何時に行えばよいですか。
- 条文は「当該業務の途中において少なくとも一回」としか書いていません。時刻は決まっていないので、会社で決めます。運転者が止まっている時間帯、たとえば運行指示書で決めた休憩の時刻に合わせるのが自然です。
- Q. 記録は別の様式にしますか。
- 同じ点呼記録簿でかまいません。5項は1項から3項までをまとめて記録の対象にしています。ただし、どの点呼かが読み取れるよう、区分の欄を作っておきます。
- Q. 中間点呼を要らなくすることはできますか。
- 3項の条件は「いずれも」なので、業務前か業務終了時のどちらかを告示の方法(遠隔点呼など)にできれば、対象から外れます。遠隔点呼には実施予定日の原則10日前までの届出が要ります。運行の組み方を変えて、営業所で対面できる形にする方法もあります。
- Q. 記録は何年残しますか。
- 1年です。規則7条5項が「その記録を一年間保存しなければならない」と書いています。起算日は点呼を行った日で、運行が終わった日ではありません。
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本記事は法令および官公庁の公表資料をもとに整理した参考情報です。法令への適合を保証するものではありません。実際の義務内容は e-Gov法令検索および所管官庁にご確認ください。内容は2026-09-29時点のものです。