警備業の書類の保存年数|名簿1年、教育記録2年、起算日は3通り
警備業の書類は、年数も起算日も1つではありません。
施行規則66条2項が、1年と2年、起算日は3通りを定めています。
| 書類 | 年数 | 起算日 |
|---|---|---|
| 警備員の名簿(1号) | 1年 | 退職の日 |
| 指導計画書(4号) | 2年 | 実地に指導した日 |
| 教育計画書(5号) | 2年 | 当該年度が終了した日 |
| 教育の実施記録(6号) | 2年 | 当該年度が終了した日 |
この記事の内容(7項目)
- 警備業の名簿は退職の日から1年
- 在職中は「備える」が続く
- 退職年月日を書いてから移す
- 1年は他の書類より短い
- 在職者と分けて置く
- 在職が長いほど長く残る
- 廃棄できる日を書く
- 警備業の教育計画書と実施記録は年度終了から2年
- 年度で束ねられる
- 実施した日からではない
- 名簿のロとは別
- 確認の付記が要る
- 束の表紙に2つ書く
- 警備業の指導計画書は実地に指導した日から2年
- 指導した日ごとに数える
- 指導した日を書いておく
- 計画書と記録は別
- 束ね方を分ける
- 1枚ずつ廃棄可の日を書く
- 警備業の教育計画書は年度開始の30日前までに備える
- 年度が始まってからでは遅い
- 作る作業を年次の一覧に入れる
- 計画書に書く6つ
- 実施記録は7つ
- 計画書と実施記録の項目の違い
- 2つの様式を分けて作る
- 警備業の年数が定められていない書類
- 備え付けの義務は続いている
- この記事では断定しない
- 迷うなら長めに持つ
- 会社として決めて書く
- 決めていないと起きること
- 一覧に「根拠」の列を持つ
- 警備業の書類を束ね方で分ける
- 混ぜると捨てられなくなる
- 年に1回まとめて見る
- 表紙に起算日と廃棄可の日
- 営業所ごとに持つ
- 期限の仕組みに載せる
- よくある質問
警備業の名簿は退職の日から1年
規則66条2項の言葉は、「当該警備員が退職した後においても、その退職の日から一年間」です。
在職中は「備える」が続く
法45条が営業所ごとに備えることを求めているので、在職しているあいだは年数の話になりません。
1年が動き出すのは、退職した日からです。
退職年月日を書いてから移す
名簿のイには「退職した場合には退職年月日」があります。書かずに抜いてしまうと、1年の起算日が分からなくなります。
書いてから、保存の側へ移します。記載事項は警備員名簿の書き方にまとめています。
1年は他の書類より短い
教育に関する書類は2年です。同じ営業所に置くのに、名簿だけ1年になります。
まとめて綴じていると、どちらかの年数で間違えます。名簿を2年持つのは問題になりませんが、教育記録を1年で捨てると足りません。
在職者と分けて置く
退職者の名簿を在職者と同じ場所に置いていると、1年を過ぎたものを探せません。
抜いて別に綴じ、退職日の順に並べておけば、手前から出てきます。年に1回、手前から1年を過ぎたものを抜くだけで済みます。
在職が長いほど長く残る
起算日が退職の日なので、在職年数がそのまま乗ります。
| 在職 | 名簿がある期間 | 合計 |
|---|---|---|
| 1年で退職 | 1年+1年 | 2年 |
| 10年で退職 | 10年+1年 | 11年 |
| 20年で定年 | 20年+1年 | 21年 |
名簿は1人1枚のカードなので、人数のぶんだけ枚数が積み上がります。置き場所を先に決めておきます。
廃棄できる日を書く
退職年月日の横に「廃棄可 ◯年◯月」と書いておけば、捨てるときに数えずに済みます。
1人ずつ日が違うので、この1行が効きます。
警備業の教育計画書と実施記録は年度終了から2年
5号と6号は、「当該年度が終了した後においても、その終了の日から二年間」です。
| 号 | 書類 | 起算日 |
|---|---|---|
| 5号 | 年度ごとの教育計画書 | 当該年度が終了した日 |
| 6号 | 年度ごとの教育の実施記録 | 当該年度が終了した日 |
年度で束ねられる
どちらも「年度ごとに」作るものなので、年度ごとに1つの束にしておけば、そのまま捨てる単位になります。
計画書と実施記録を同じ束に入れておけば、起算日も同じです。
実施した日からではない
教育を行った日から2年ではありません。その年度が終わった日から2年です。
年度の初めに行った教育の記録は、実質的に3年近く残ることになります。4月に行った教育なら、翌々年度の3月末まで残る計算です。
名簿のロとは別
教育の記録は6号の書類として残しますが、名簿のロにも「実施年月日、内容、時間数及び実施者の氏名」を書きます。
2か所に書くことになり、名簿のほうは名簿の年数(退職の日から1年)で動きます。同じ教育の記録が、2つの年数で別々に消えていく形です。
確認の付記が要る
6号は、指導教育責任者及び実施者が、誤りがないことを確認する旨を付記した書類としています。
付記が無いと、書類としての形が整いません。保存する前に確かめます。年度が終わってから2年残るものなので、そのときに直せる状態ではありません。
束の表紙に2つ書く
その年度が終わった日と、廃棄できる日。この2つが表紙にあれば、開かずに判断できます。
起算日の考え方は保存年数より間違えやすいのは起算日にまとめています。
警備業の指導計画書は実地に指導した日から2年
4号だけ、起算日が違います。「実地に指導した日から二年間」です。
指導計画書(4号)
- 実地に指導した日から2年
- 指導のたびに起算日が動く
- 年度では束ねられない
教育計画書・実施記録(5号・6号)
- 当該年度が終了した日から2年
- 年度で1つに決まる
- 年度で束ねられる
指導した日ごとに数える
条文は「実地に指導した日から」です。指導を行うたびに、そこから2年が始まります。
年度でまとめて捨てると、直近に指導した分まで巻き込むことがあります。
指導した日を書いておく
起算日になるので、計画書に実地に指導した日を残しておきます。
書いていないと、いつから2年かが決まりません。計画書なので実施の日を書く欄が無いことがありますが、起算日になるので足しておきます。
計画書と記録は別
4号は「警備員に対する指導に関する計画を記載した指導計画書」です。5号の教育計画書とは別の書類です。
名前が似ているので、様式の見出しに号の番号を入れておくと取り違えません。
束ね方を分ける
5号・6号は年度で束ねられますが、4号は指導した日ごとに期限が違います。
同じ束に入れると、捨てる判断ができなくなります。4号だけは別のファイルにするほうが確実です。
1枚ずつ廃棄可の日を書く
実地に指導した日+2年。その日を1枚ずつ書いておけば、年に1回まとめて見られます。
年度で判断できないぶん、日付を書く手間が要ります。
警備業の教育計画書は年度開始の30日前までに備える
規則66条3項は、保存ではなく「いつまでに備えるか」を定めています。
「第一項第五号に掲げる教育計画書は、当該年度の開始の日の三十日前までに備えておかなければならない。」
年度が始まってからでは遅い
3項は「当該年度の開始の日の三十日前までに」です。4月1日開始なら、3月2日までに備えることになります。
年度に入ってから作る形にはなっていません。
作る作業を年次の一覧に入れる
期限が決まっているので、年間の作業の一覧に「◯月までに教育計画書を作る」と書いておきます。30日前という決まりなので、期限として管理する対象になります。
前年度の実施記録を見ながら作ると、内容が決めやすくなります。実施記録が2年残っているので、2年分をさかのぼって見られます。
計画書に書く6つ
規則66条1項5号は、実施時期、内容、方法、時間数、実施者の氏名、対象とする警備員の範囲としています。
6つとも書きます。実施者の氏名まで、計画の段階で決めることになります。
実施記録は7つ
6号は、実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所、実施者の氏名、対象となった警備員の氏名。計画書より「実施場所」と「対象となった警備員の氏名」が増えます。
計画は「範囲」、記録は「氏名」という違いもあります。
計画書と実施記録の項目の違い
並べると、増える2つが分かります。
| 項目 | 教育計画書(5号) | <b>実施記録(6号)</b> |
|---|---|---|
| 時期/年月日 | 実施時期 | 実施年月日 |
| 内容 | あり | あり |
| 方法 | あり | あり |
| 時間数 | あり | あり |
| 実施場所 | 無い | あり |
| 実施者の氏名 | あり | あり |
| 対象 | 警備員の範囲 | 対象となった警備員の氏名 |
| 確認の付記 | 無い | 指導教育責任者及び実施者 |
2つの様式を分けて作る
書く項目が違うので、同じ様式で兼ねると、どちらかが足りなくなります。
計画用と記録用を別に用意します。見出しに号の番号を入れておけば、どちらか一目で分かります。
警備業の年数が定められていない書類
規則66条2項が年数を挙げているのは、1号・4号・5号・6号の4つです。
| 号 | 書類 | 2項に年数の記載 |
|---|---|---|
| 1号 | 警備員の名簿 | あり(退職の日から1年) |
| 2号 | 欠格事由の確認の書類 | 2項には無い |
| 3号 | 護身用具の数量の書面 | 2項には無い |
| 4号 | 指導計画書 | あり(実地に指導した日から2年) |
| 5号 | 教育計画書 | あり(年度終了から2年) |
| 6号 | 教育の実施記録 | あり(年度終了から2年) |
| 7号 | 契約ごとの書類 | 2項には無い |
| 8号 | 苦情に関する書類 | 2項には無い |
備え付けの義務は続いている
2項に年数が書かれていない書類も、法45条が営業所ごとに備えることを求めています。
2項に無いから捨ててよい、ではありません。
この記事では断定しない
他の規定に年数の定めがあるかどうかは、この記事では確認できていません。
実際にどう扱うかは、所管の公安委員会に確かめます。
迷うなら長めに持つ
捨てて困ることはあっても、持っていて困ることはあまりありません。
年数が分からないものは、決めるまで持っておきます。確かめてから決めれば足ります。
会社として決めて書く
条文に無いなら、会社として何年と決めて、一覧に書いておきます。
決めていないと、担当が替わったところで扱いが変わります。
決めていないと起きること
年数が条文に無い書類ほど、扱いがばらつきます。
決めてある
- 一覧に年数と根拠が書いてある
- 担当が替わっても同じ
- 捨てる判断がその場でつく
決めていない
- 人によって捨てたり残したり
- 置き場所が足りなくなる
- 必要なときに無い
一覧に「根拠」の列を持つ
条文にあるものと、会社で決めたもの。列で分けておけば、どちらか分かります。
一覧は会社に必要な書類の保存年数を業種横断で並べるにまとめています。
警備業の書類を束ね方で分ける
起算日が3通りあるので、束ね方も3通りになります。
| 束ね方 | 入れるもの | 捨てる判断 |
|---|---|---|
| 人ごと | 名簿(1号) | 退職の日+1年 |
| 年度ごと | 教育計画書(5号)・実施記録(6号) | 年度終了+2年 |
| 1枚ずつ | 指導計画書(4号) | 実地に指導した日+2年 |
| 別に | 2号・3号・7号・8号 | 会社で決める |
混ぜると捨てられなくなる
1つの箱に全部を入れると、年に1回の処分のときに1枚ずつ日付を見ることになります。
束を分けておけば、束ごと処分できます。中を開かずに済むのがいちばん大きい違いです。
年に1回まとめて見る
年度の終わりに、束ごとに廃棄できるものを見ます。
教育計画書を作る時期と重なるので、同じ時期にまとめられます。
表紙に起算日と廃棄可の日
3通りの起算日があるので、表紙に「何の日から何年か」を書いておきます。
開かずに判断できる形にします。「退職の日から1年」「年度終了から2年」と書き分けておけば、数え方も迷いません。
営業所ごとに持つ
法45条は「営業所ごとに」です。営業所が複数あるなら、それぞれで同じ束を作ります。
置き方は書類をどこに置くかにまとめています。
期限の仕組みに載せる
教育計画書の作成期限(年度開始の30日前)と、写真の3年、資格者証の更新。警備業には期限のあるものが複数あります。
まとめ方は期限管理のやり方にあります。
よくある質問
- Q. 警備員名簿は何年残しますか。
- 施行規則66条2項により、退職した後においても退職の日から1年間です。在職しているあいだは年数の話にならず、1年が動き出すのは退職した日からです。
- Q. 教育の記録は何年ですか。
- 教育計画書(5号)と実施記録(6号)は、当該年度が終了した日から2年間です。教育を行った日からではありません。
- Q. 名簿と教育記録で年数が違うのですか。
- 違います。名簿は1年、教育に関する書類は2年です。同じ営業所に置くのに年数が違うので、まとめて綴じると間違えます。
- Q. 指導計画書も2年ですか。
- 2年ですが、起算日が違います。4号は「実地に指導した日から二年間」で、年度とは関係がありません。指導を行うたびに、そこから2年が始まります。
- Q. 教育計画書はいつまでに作りますか。
- 規則66条3項により、当該年度の開始の日の30日前までに備えておかなければなりません。4月1日開始なら3月2日までです。年度に入ってから作る形にはなっていません。
- Q. 教育計画書には何を書きますか。
- 規則66条1項5号の6つです。実施時期、内容、方法、時間数、実施者の氏名、対象とする警備員の範囲。実施者の氏名まで、計画の段階で決めることになります。
- Q. 実施記録との違いは何ですか。
- 6号の実施記録は7つで、実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所、実施者の氏名、対象となった警備員の氏名です。計画書より「実施場所」と「対象となった警備員の氏名」が増えます。計画は「範囲」、記録は「氏名」という違いもあります。
- Q. 実施記録に確認の欄は要りますか。
- 6号は、指導教育責任者及び実施者が、記載した事項について誤りがないことを確認する旨を付記した書類としています。付記が無いと、書類としての形が整いません。
- Q. 年数が書かれていない書類は捨ててよいですか。
- 規則66条2項が年数を挙げているのは1号・4号・5号・6号の4つで、2号・3号・7号・8号については2項に記載がありません。ただし法45条の備え付けの義務は続いています。他の規定に定めがあるかどうかはこの記事では確認できていないので、所管の公安委員会に確かめます。
- Q. 書類はどう束ねますか。
- 起算日が3通りあるので、束ね方も分けます。名簿は人ごと(退職の日+1年)、教育計画書と実施記録は年度ごと(年度終了+2年)、指導計画書は1枚ずつ(実地に指導した日+2年)です。混ぜると、処分のときに1枚ずつ日付を見ることになります。
この記事で使うテンプレート
本記事は法令および官公庁の公表資料をもとに整理した参考情報です。法令への適合を保証するものではありません。実際の義務内容は e-Gov法令検索および所管官庁にご確認ください。内容は2026-08-30時点のものです。